■コロニーパーク(2)    より安心で快適に乗れるように!           スワッピング&レストア     2009年6月~2010年5月
 

 
  前回改造した、コロニーパーク(1)のページをごらんいただいてわざわざ、札幌からメールをいただきました。
 やはりこのお車もエンジンだけでなく、あちこちと不具合があり、いっそうの事エンジンスワップ(レストア)して
 欲しいとの事でした。
  ご連絡頂いた当初は、エンジンスワップしないで、オリジナルのままで修理する方が良いとお伝えいたしまし
 たが、 やはり、前回の改造車と同様に調子が悪く、このまま乗り続けて行くには非常に不安がお有りとの事で
、お受けさせて頂く事にいたしました。
  前回と同様 4000ccの1UZへの載せ換えとなる為に、走行性能を低下させないような細心の注意が必要で
 古いアメ車独特のフィーリングを崩さない様に、かつ
スワッピングして良かった! と喜んで頂ける様な
 改造をすべく、 前回の経験を活かし、更にバージョンアップした改造を目指します。 
  2台目の改造なので、なるべくダブらないように掲載致しますが、 このページでは特に前回とは異なる箇所に
 重点を置いて説明して行く事にします。 基本的な部分につきましてはコロニーパーク(1)をご覧ください。
 以下、項目毎に分けて掲載していますのでご覧下さい。 


      下の項目にマウスを移動すると写真が見れます。 クリックすると説明に移動します。


入庫時の現状
 札幌より陸送業者の手で回送していただきました。 外観や内装は一見したところは比較的いい状態ですが
 雪道に撒かれる凍結防止剤のせいで下回りや外板(パネル)の継ぎ目部等に錆びが発生しています。 
  エンジンの調子も悪く、クーラーは全く冷えません。 ラジエータより冷却水漏れがあり、やはりこれでは、
 ご希望通り思い切ってエンジンスワップしなくては今後安心してお乗りいただけそうにもありません。 
 サスペンション廻りのブッシュ類も経年劣化によりゴムにひび割れが多く発生しておりレストアして細部に
 わたって改造・修理する事になりそうです。
 

旧エンジンの取外し
 改造に取り掛かる前に各部に状態を点検します。 エンジンやミッションだけでなく下回りや駆動系の部品類
 はほとんど取り外します。 前回よりも年式が2年古いので、ミッションのシフトリンケージはワイヤー式でなく
 ロッド方式で連結されているのでやっかいな改造作業になりそうです。
 
  コロニーのスピードメータはワイヤーで動く旧式の機械駆動方式で、セルシオはミッションで発生するパルス
 をカウントして動かす電子式です。  お車の雰囲気を壊さない為にも、今回も是非とも室内のメーターパネル
 やシフトレバー廻りは改造しているとは全く感じないような改造を目指します。
  

ドナーカー
 前回のドナーカーは左ハンドルのレクサスでしたが、今回は右ハンドルのセルシオになりました。5万キロ走行
 で、非常に程度の良い車が見つかりました。 もちろんエンジンはオーバーホールします。

  後述しますが右ハンドルのラック&ピニオンをそのまま取付けると、ハンドルを切る方向とは逆に自動車が進ん
 でしまいます。 前回はクロスメンバーの手前に改造取り付けしたのですが、今回はできるだけシンプルな
 ノーマルと同じレイアウト配置を目指し、クロスメンバーのとラジエータの間にパワステラックを取付ける為に、
 特殊な機構を採用して改造をします。
 これでハンドルの操作と自動車の曲がる方向とがシンクロするようになります。
 
  

新エンジンの再生修理
 エンジンの状態は極めて良好です。 今後永くお乗りいただけるように、パッキンやオイルシール類は全て
 交換します。 また、セルモータ、オルタネータ、パワーステアリングポンプ等の補機類もオーバーホール
 再生修理します。 

エンジンマウントの製作
 エンジンの据付位置はラジエータやプロペラシャフト、排気系のレイアウトや自動車の重量配分とも大きく
 影響するので慎重に決定しなければなりません。

  前回はパワステラックを レクサス と同じクロスメンバーの後方にレイアウトしましたが、サイドフレームを
 加工したり、ロアーアームとフレームの隙間にタイロッドを取付けたりしましたが、今回はよりシンプルにする
 ためにコロニーパーク(1)に比べて
エンジンの取付け位置を80mm前方に配置します。 
  この事でコロニーパークのセンターリンクと同じ位置にパワステラックを取付ける事が可能になりました。
  

エンジンの据付
 オイルパンとクロスメンバーの隙間にパワステラックを取付けるのですが完全にオイルパンと干渉してしまう
 ので、今回はオイルパンも改造しました。 エンジンマウントブラケットの形状も独特の工夫をこらしています。
 

プロペラシャフトの改造
 前回と同様にプロペラシャフトを改造します。 加工時の詳細について詳しくはお伝え出来ないのが残念ですが
 
別のページに問題点や施工方法について少し詳しく掲載していますので宜しければご覧下さい
 コロニーのシャフトはミッションとリヤーデフの距離が2㍍以上あり、それを1本のシャフトで連結されています。
 セルシオの強力なエンジンパワーを伝えるには強度的には弱いので、セルシオの2分割式シャフトを改造して
 取付けします。 これで、140㌔以上のスピード(テスター上で計測)で走行しても室内には、振動は感じません。
 エンジンが静粛になったので、走行音は振動も少なくとても非常に静かになりました。

シフトリンク装置の製作
 セルシオはフロアのオートマチックでシフトレバーもセンターコンソールに配置されています。
 一方コロニーパークはコラム式のシフトレバーで、
室内の雰囲気をそのまま残して操作出来るよう
 コラム式リンク機構を改造製作します。 前回のコロニーはワイヤー作動式のシフト装置でしたが、
 今回のコロニーは完全にリンク方式なので同じ様には製作できません。
  詳しくお見せできませんが大体写真の様なイメージのリンクを製作します。
 

パワーステアリング機構の改造
 オリジナルのギヤーボックスが大きくて V8エンジンと干渉してしまう事と、ハンドリングの応答性を考慮して
 今回も、
ラック&ピニオン方式に改造します。 パワステの改造については場所の制限があり機構の製作に
 ついて色んな工夫を凝らします。 

マフラー・排気パイプの改造製作
 雪国でご使用される事もあり、当然今回もステンレス(SUS307)でマフラーやパイプ類を改造します。
 
アメ車らしい排気音になるように、排気パイプは贅沢に55㎜Φ/2㎜厚のステンレスパイプをベンダーで
 曲げ加工しながら溶接加工していきます。 テールパイプはV8なのでやはり
左右両噴出しとしました。
 エンジンをかけてみると、アイドリングではエンジンがかかっているとは判らない程静粛で、加速しだすと
 アメ車独特の排気音がして、とてもいい感じに仕上がりました。
 

ステンレスパイプの曲げ加工
 薄物パイプは普通90度や60度等に曲げられた半製品を購入して溶接するのですが、微妙なアールや形状
 を加工するには限界があります。 そこで当社では改造する自動車に応じて
油圧式のベンダーで曲げ加工
 ます。 曲げ部が押しつぶされないように均一な形状のまま曲げるのは技術が必要です。 一般的にはパイプ
 内部に砂を詰めて曲げますが、アルミや軟鉄管などは比較的簡単ですが、強度のある薄肉ステンレスパイプ
 では簡単には綺麗に曲げる事ができません。 この後、TIG溶接で接合していきます。

メータの改造
 コロニーのオリジナルのメータはミッションの回転をウィヤーで伝える機械式ですが、セルシオのメーターは、
 ミッションの車速パルスで動く電子式を採用しています。 一般の改造では、ドナーカーのメータをそのまま取付け
 る方法を採用しているケースが多いですが、
今回の改造についても出来るだけオリジナルの雰囲気を壊さな
 いように、コロニーのメーターを電子式に改造します。
 全くの機械式メータの改造な為に、距離(オド)計にもステップモーターを取付け車速信号で走行距離計を動かす
 ようにしました。 
室内に座っても改造している車とは全く判りません

 

配線類の改造
 コロニー(1)と重複するので詳しくは述べませんが、当社では特にドナーカーの制御系の結線も忠実に
 再現できるようにしています。写真の丸い端子は外部診断機用のカプラです。 接続すれば当然の事
 ながらダイアグコードを読み取れます。 ミッションのモード切替、パワステの速度感応作用、、油圧式
 冷却ファンの自動制御、、エンジン回転数の自動制御等、挙げれば切がありませんがセルシオの機能
 はほとんどすべて正常に作動するようにしました。

エアコンの改造
 改造前は全くエアコンが冷えない状態でした。 分解してみると回路に写真のようにコンプレッサーの
 破片が閉塞しており、完全に全て交換しなければいけない状態でした。 
 専門工場にエバポレータの洗浄、耐圧試験を依頼したところ、何とかなりそうなので、今回はエバポレーター
 は製作しないで配管類を改造、製作し、コンプレッサーはセルシオ側を使用しました。
 ご依頼されたお客様のお話でも長い間エアコンは故障したままだった様で、大変喜んでいただけました。
 この改造を単体で実施した場合では、おそらく、50万円をはるかに超える作業量になっています。
 改造していただいた
ついでの改造で、エアコンが治ってトータルで安くできました。
 

完成
 他にも多くの箇所を改造、修理して調度1年間をかけ完成しました。
 いつも、そうなのですが完成した自動車を送り出すのは、わが子を嫁に出すような気持ちで、嬉しいような
 複雑な感じです。心をこめて改造させていただいたお車を、これから今後も末永く、安心して、調子よくお乗り
 いただけるようにお祈りして札幌に送りだします。


 
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